パナマにおけるゲイシャ種の発見は2004年に遡ります。
翌年、エスメラルダ農園のプライス・ピーターソン氏から
生産技術を頼りにルイス氏の手にゲイシャの種が渡りました。
早速、実験的にゲイシャの栽培を開始しますが、デリケート
すぎるこの品種の生産は一筋縄にはいかず、本格的なプラン
テーションができる準備が整ったのは2008年。
そして、2010年にようやく5ポンド(2kg強)のゲイシャを収穫
する事ができました。
初収穫のゲイシャは、ルイス氏の想像を超える素晴らしい
カップで、4年間の苦労が喜びに変わった瞬間となったそう
です。現在は、4つのゲイシャ区画を持ち、今回のNaranjalと
ともにベルリナのゲイシャは世界中のバイヤーが注目する
までに成長しました。
ゲイシャの持つ素晴らしい風味は、コーヒー生産を次世代へ
とつなぐ、大きな希望となり、コーヒー生産を持続する上で
とても大きな役割を担っています。
パナマ ベルリナ ナランハル ゲイシャFW浅煎り
パナマ ベルリナ ナランハル ゲイシャFW浅煎り
○ 国名:パナマ 地域:ボケテ・オルケタ地区
農園名:ベルリナ農園 標高:1,500m~1,700m
品種:ゲイシャ種 精製方法:フリーウォッシュド 浅煎り
名称:パナマ ベルリナ ナランハル ゲイシャFW浅煎
酸味:あり コク:すっきり
現在4世代目となるルイス氏のように、コーヒー生産に従事
する多くの生産者が、先代・先々代からバトンを受け取り、
約100年の歴史の中で多くの自然災害や経済危機を乗り越え、
地域社会を維持・成長させてきました。
そうした中で、コミュニティやコーヒーに従事する多くの
人々が、次世代へどのようにコーヒー文化を繋いでいくか。
そして1人1人の生活を守り、繋がっていく事ができるか。
ルイス氏はこうしたコーヒー生産においてとても根本的で、
永続的な課題に挑戦する生産者の1人です。
ルイス氏は、スペシャルティコーヒーのコンセプトによって、
高品質なコーヒーの生産と技術の向上、そしてこれらの知識
を得るための教育的支援、次世代へ繋ぐ持続的な農園の維持
保全の3点を軸に、文化と人々を守るコーヒーの生産を目指
しています。
ベルリナ農園では、持続的なコーヒー生産への1つの回答と
して、自然環境と生態系を維持し高品質なコーヒーを生産
する技術に専念しました。
シェードツリーといくつかのコーヒーの木とが1つのペアと
なるようにする事で、作付面積は限られますが、渡り鳥や
野鳥、昆虫の生態系を維持されます。これによって、土中の
微生物の活性化、腐葉土による土壌の維持保全が自然環境の
中で循環され、結果的に人為的な肥料が大幅に削減されて
います。また、こうした生物の多様性は、各区画での微気候
や特色を色濃く反映し、彼らが生産するコーヒーの風味の
多様性にも寄与するようになりました。